ホワイトカラー・エグゼンプション
一定年収以上の管理職的業務に従事するサラリーマンの1日・8時間:週40時間の労働時間規制を適用除外する法律(いわゆるホワイトカラー・エグゼンプション)が検討されていたが、本格的実施はどうやら参院選後になるようである。
「残業代がもらえなくなる!」
「サービス残業が増え・過労死が多くなる!」
などと言う人がいるが
拙者は概ね・賛成である。
長年・サービス残業をさんざんやって来た拙者も今回はこれについて意見を述べてみたいと思う。
「将来はブルー・カラー(現場労働者)にも拡大される」
と言う人もいるが、小企業では15年以上も前から残業代のカットは行われている。拙者も実際に体験している。
資本主義社会では
あらゆるものが市場化される!
市場原理で動く。
分かりやすく言うと
あらゆるものが商品として見られる。
値段に換算される。
ということだ。
キャベツも生産過剰になれば、出荷する手間より価格が下がることもあるし
ヤクザの親分が
「おい・あいつを殺して来い!」
と子分に命じる手間賃にも相場があるということだ。
だから
労働者の労働も商品なのである。
その支払われる賃金も市場原理によって変動する・上下するということである。
これは仕方が無い。
1929年10月24日・同29日(暗黒の火曜日 Black Tuesday)のニューヨーク証券市場の大暴落に始まる世界恐慌はケインズ経済学(国家が積極的に経済に介入する)の台頭を促したことは拙者も書いてきたから皆さんもご存知と思う。
しかし
それまで経済学を支配していた
古典派経済学者たち(レッセ・フェール:経済の自由放任主義)
はこれで意気消沈したのではなかったのである。
彼らは
「我々が市場の自由を要求しているのに、自由でないものがあったからだ!」
と弁明した。
その自由でない市場とは何であるか?
ズバリ!
「労働市場である!」
と彼らは言う。
「不況で失業者が街にあふれれば、本来は労働市場も下がる。
だから、市場原理によって(労働者の)賃金を下げれば・企業に余裕が生まれ・失業者を雇い入れることが出来るようになるはずなのだ。
ところが
(このころは盛んであった)労働組合が賃下げに反対!
しているので、自由な市場取引が阻害されている。
だから
不況が解消されないのだ!
我々の学説が間違っているのでは無い!」
(当時の代表的な古典派経済学者:セシル・ピグー1877~1959の説)
「賃金率の下方硬直性」
これは
「物の値段が高すぎて売れないなら、マーケット調整機能が働くことで適正な価格にまで下げれば商品は売れ先を見つけられる」
という考え方である。
拙者は自由派経済学一辺倒ではないが、現在の日本経済を説明するにはこのことを知っておく必要がある。
高度経済成長時代の日本の工業製品の質は世界で群を抜いていた!
日本製品が世界市場を圧倒した(強さがあった)。
だから勤労者の給料もそれに連れてグングン上がったのである。
しかし今は
海外に技術移転をしたために
中国などの製品の質が日本に追いついてきている。
しかも
そのコストはべらぼうに安い!
もはや日本製品の世界市場における圧倒的シェア独占は望めないのである。
だから当然
市場原理によって・日本の労働者・勤労者の労働市場も下がらざるを得ないのである。
「安かろう・悪かろう」
に流れてしまうからだ。
まして
かつて世界一を誇った日本の教育(学力)が中国・韓国に抜かれている現状では、それ以上の給料をもらえるなど望む方が間違っている!
教育の建て直しこそ急務である。
拙者の体験を話そう。
拙者は恥ずかしいことであるが、履歴書に書ききれないほど職業を替わった。
その経験から言うと
”仕事は楽だが、給料は高い”
とか
”仕事はきついが、給料は安い”
会社など1つも無かった!
それぞれ”仕事相応の給料”をもらっていた。
「隣の芝生は青く見える」
けれど、”楽な仕事で高い給料”は望めないのである。
4年ほど前まで、ある会社に約10年間勤めていた。20人ほどの零細企業である。
それ以前にも3年ほど同じ会社に勤めたことがあったのだが、その会社の幹部から
「・・・さんが突然亡くなったので、君にその代わりを務めてほしい」
と誘われ・昔の会社に再就職することになった。
前任者の機械を操作することになったのであるが、その機械は東京でも当時5~6台ぐらいしかない旧式の機械で・動かし方が分からない。
メーカーに問い合わせても新型の機械に切り替わっていて、要領を得ない。
同業者は「教えると仕事を取られてしまう」ので教えてもくれない。
仕方なく
サービス残業で仕事を自力で覚えるしかなかった。
正規の勤務時間が終わってから、タイムレコーダーを押して残業をする。
3ヶ月ほどは夜の12時前に家に帰ることは出来なかった。夜2時まで仕事をして家に帰り・食事して・風呂に入り・4時前に寝て・朝7時に起きてまた会社に行くことも結構あった。
半年ほどでようやくその機械を順調に動かせるようになって、それほど残業することもなくなったが、平均すれば1時間はサービス残業を10年間していたことになる。
もちろんその間
残業手当は一切もらっていない。
ただし
他の社員も忙しい1時間ほどの(全員の)残業のときはもらっていたから、「基本的には」ということである。
拙者以外の社員も”サービス残業”するときの扱いは同様である。
関連業種・同業者も同じである。
だから
ブルー・カラー業種でも15年ほど前からサービス残業(残業代カット)は既に行われている。
結局・拙者がさんざんサービス残業をやった感想は
「残業手当てがもらえないサービス残業など、やってられるかい!」
というものであった。
だから
ホワイトカラー・エグゼンプションが行われても、それほど過労死は多くはならないと思う。
拙者のように
「早く家に帰ったほうが利口だ!」
という結論に至るはずだからだ。
トヨタ自動車が
ストップ・ウオッチで作業時間を測定し・最短の作業動作などを標準化するなどがマスコミで報じられているが、これも
自動車修理工場などでは
既に30年以上も前から行われている!
ちゃんと標準作業工程に従って給料が支払われている。
これも拙者が知っている限りのことであるが、他の業種でもやっていることであろう。
経営者も
能力のある従業員
真面目に仕事に取り組む従業員
に逃げられては困るのである!
拙者も
「・・・君が望むならいくらでも高い給料を払うよ。
ただし
それだけの実績を挙げてくれればの話だが・・・」
と言われたことがある。
マスコミの報道を聞いていると
世の中には”過労死するほど真面目な会社員ばかりいる”ようなことばかり言っている。
しかし
真夏のカンカン照りの暑い日に木陰の公園などの道路を見れば、路上駐車の車の中で営業であろう人が昼寝をしている。
喫茶店で真昼間からマンガを読んでいる者もいる。
拙者はパチンコをやらないから分からないが、パチンコ屋にも”サボッている会社員”が昼日中から屯しているのが居るはずだ。
彼が遅くなって帰社したら残業代をちゃんと払うべきなのか?
また拙者が
10年勤めていた会社に、その間に合計100人ほどの職安(今はハロー・ワークか?)からの就職応募者が来たが、
(拙者と同程度に)使いものになる社員は1人もいなかった!
1/3は
「この会社に勤めるつもりはない。職安が”ハンコをもらって来い”というのでハンコだけ押してください」
である。
1/3は2・3日来て止めてしまう。
あとの1/3は数日から数ヶ月で来なくなる。
3人は現在も残っているが
1人は営業職でありながら(お得意さんの)新規開拓が出来ない。これでは営業ではなくて・いわゆる”御用聞き”である。
1人は大学を出ていて電話などでは社会人の応対が出来るのだが
「気楽だから、運転手のほうがいい」
と配送だけしかやらない。
もう1人は7年も勤めながら半人前の仕事しか出来ない。
これでは
経営者もきびしく”(従業員の)業績を査定する”ようになるのも仕方が無い!
のである。
拙者もアルバイトだが日産自動車(村山工場)でベルト・コンベァーの作業をしたことがある。あれも一定期間ごとに作業を入れ替えて公平な業務を図っている。
だが
一律に時間・幾らと”丼(どんぶり)勘定”の時代は終わったのである。
業績に合わせて賃金が支払われる(能率給の)時代になったのである。
コンピューターなどにより仕事を数値化・数量化できるようになったからである。
これは時代の趨勢で如何ともし難い。
それでも
「残業代は無制限に支払われるべきだ!」
と言われる方は
ご自分で会社を興し(起業して)・経営者になり・残業代を存分に支払われたらよかろう。
昨年5月からの会社法の改正により
1円からの資本金でも株式会社が設立できるようになったからである。
ただし
登記費用 約30万円
司法書士:代行手数料 約30万円
であるから、結局60万円ほどはかかるが・・・
目指せ!ホリエモン!
村上ファンド!
でも
インサイダー取引などをして逮捕されても当局(拙者)は一切関知しないよ!(笑)
まぁ、結論は
「賃金もその時代の相場によって上下するから、我慢してください・・・」
ということである。
景気も徐々に回復して来ているから、給料もそのうち上がるでしょう。
では
拙者のランキングは相場より低いからクリックお願い(笑)
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- 泥舟自民は東国原・橋下コンビに乗れ!(2009.06.25)
- 官僚から自治労へ民主党:偽善の大政奉還(2009.05.19)
- ドブ板:小沢は衆愚政治か?ヒトラーか?(2009.04.29)
- 亡国民主党は全員落選させよう!鳩山暴言許すまじ!(2009.04.21)
- 森田知事より共産党が虚偽護憲だぞ!(2009.04.16)
「国内政治」カテゴリの記事
- 公式外れ幸福の科学はニセ仏教!(2009.07.03)
- 食い逃げ三橋貴明の浅ましいニセ経済学(2009.07.01)
- 民主党は保守?リベラル?チェンジか?改革か?(2009.06.29)
- 泥舟自民は東国原・橋下コンビに乗れ!(2009.06.25)
- 郵政票ぶんどり合戦・夏総選挙の醜態(2009.06.18)
「歴史」カテゴリの記事
- 民主党は保守?リベラル?チェンジか?改革か?(2009.06.29)
- 垂直統合:GMの終焉!水平分業の時代へ(2009.06.07)
- ドブ板:小沢は衆愚政治か?ヒトラーか?(2009.04.29)
- 軍事オンチの文官絶対政治は国を亡ぼす!(2008.12.22)
- 麻生さん辞めてもらいます!義理が重たいこの世界(2009.02.07)
「経済」カテゴリの記事
- 食い逃げ三橋貴明の浅ましいニセ経済学(2009.07.01)
- 民主党は保守?リベラル?チェンジか?改革か?(2009.06.29)
- 経理バカ:三橋貴明は経済も仏教も思想も分からない(2009.06.27)
- 泥舟自民は東国原・橋下コンビに乗れ!(2009.06.25)
- 郵政票ぶんどり合戦・夏総選挙の醜態(2009.06.18)

























コメント
TB有り難うございました。
「残業代ゼロ労働」と名付けたアサピー。
それを誇らしげにブログに書くアサピー。
『朝日の言っている事の逆をすれば日本は良くなる』法則で考えると、ワタクシはWEに賛成であります。
投稿: mizo | 2007年2月15日 (木) 19:38
皆さん・コメント・ありがとうございます。
私はこの記事の会社に勤務していたとき
2回・賃上げを社長に交渉して認めさせました。
「給料を上げてくれないと会社を辞めるぞ!」
とね(笑)。
実力があれば、いくらでも要求はできます。
仕事の出来る社員に辞められたら会社側も困るのです。
投稿: 柳生すばる | 2007年1月11日 (木) 14:01
ホワイトカラー・エグゼンプションについては、大賛成です。
いまどき残業代が出るのは公務員か大企業の社員のみ。中小・零細企業の社員は残業代なんか貰っていない。
この制度が施行されれば、格差社会も解消されるんじゃないの?
柳生さんのような難しい理論は言えないけど、
ホワイトカラーと呼ばれる職業の人の「仕事に対する成果」というのは、
労働時間に比例するものでは無い。
そこに「残業代」という労働時間に比例する報酬制度をあてはめる事自体が間違っていると思いますね。
投稿: すう | 2007年1月11日 (木) 08:38
ホワイトカラー・エグゼンプションなんて米国では昔から当たり前だ。今頃騒いでいる人は、今までぬるま湯に浸っておれた幸せに感謝すべきでしょう。
投稿: 知足 | 2007年1月10日 (水) 16:30
大新聞も軒並み“残業代カット制”と如何にもミスリードを狙った書き方をしていますが、そこまで言うなら、この制度の先駆者たる米国におけるトヨタなどの日系企業の労務状況を調査してから判断するべきです。
それすらせずに闇雲に大衆の不安を書き立て、政府を糾弾する様なやり方はどう考えてもフェアじゃないですね。これでは日本のマスメディアと国民のレベルは何時まで経っても向上することはないでしょう。
私が大学時代の講義を受けた中で、一番印象に残っていることは、“賃金は下方に硬直的”だということです。下方に硬直的だからこそ労働の時間当たり単価を下げる為にサービス残業が横行するわけで。
ホワイトカラー・エグゼンプションには私も賛成です。いまどき残業代100%もらってるなんてのはよほどの大企業か、一部の公務員ぐらいのものでしょう。
投稿: takayuu | 2007年1月 9日 (火) 14:46